前回、後継者という事をちょっと述べさせていただきました。

 

「後継者を求めておられるのですか」と、よく尋ねられます。

 

「いえ求めてもいませんし、探してもいません」と答えます。

 

すると「一代で消滅するのはもったいないではありませんか」と、

言われます。

 

剣道の理念には、『剣道は剣の理法の修練による人間形成の道である』と、

謳っています。

 

まさにこれと同じで気も又しかりです。

気を習得する目的が営利を追及する為であったり、名声を追い求める為では、

目指す道からはずれてしまいます。

 

もちろん、人は霞を食って生きていく事などできません。

乗車券を購入しなくては電車には乗せてくれませんし、食券を買わなくては

食事ができません。

このように必要なものは必要なのです。

 

しかし、真面目にコツコツと地道な努力を重ねれば必ずその努力に値する

対価と名声が後からついてきます。

つまり追い求めるものではなく後からついてくるものです。

 

『気』という天から与えられた力と能力は人を愛し人を敬い命あるものすべてを

慈しむという崇高な精神と慈愛の心で大きく強く育まれていきます。

そしてこの力は分け隔てなく万人に与えられたものです。

 

このような精神と心を持った若者がいつの日か、私の目の前に現れたら私は

喜んでその若者に道をゆだねたいと考えています。

 

以前ある大学に行った時、たまたま後継者の話になりその時そこの先生が、

「後継者はうちの学生でどうですか」と、おっしゃられました。

 

もちろん、丁重におことわりしました。

人材派遣ではありません。

 

『気』の世界、習得するには何事にもくじけない強い精神力、あきらめない根気と

継続する力、そして慈愛の心、その他にも色々な事を学ばなければなりません。

 

もちろん、かく言う私とていまだ修行中の身であり道半ばです。

恐らく生涯目ざすところにたどり着く事はないでしょう。

しかし、最も大切なのは己を信じどこまでも追い求めていくという燃えるような

求道心がまさに求められるのです。

 

『欲深き人の心と降る雪は積もるにつれて道を忘るる』

 

こんな句が浮かびました。

 

今日の九州は強い春風が吹いています。

やっと開き始めた桜の花びらがこの風で吹き飛ばされないように願っています。

武蔵の世界

私は小学校3年の頃から剣道を始め数十年継続してきました。

そして20代後半の頃宮本武蔵が晩年の午前試合で刀を使わず相手を制したという

くだりを知り究極の剣の世界とはこれだと頭に衝撃が走りました。

拙著『気を自在に使いこなす』総合法令出版社をご参照ください。

 

以来36年この気の世界に没頭してきました。

そして永年の研究の結果武蔵の世界が徐々に現実味を帯びてきましたが

パーフェクトではありません。

これがパーフェクトになればすべての格闘技の世界は大きく変ります。

しかし永年武蔵の世界を追い求めていくうちに少しずつ心に変化がおきてきました。

 

仮に100パーセント武蔵の域に達することが出来たとしても、

果たしてその後に何が残るのか、もちろん達成感、満足感は得られるだろうが、

そのほかに何が残るのか・・・

 

心の中に徐々に疑問が膨らんできて自問自答する苦悩の日々が続きました。

そしてたどり着いた境地は、気を駆使して病気や怪我などで苦しんでいる人たちに

手を差し伸べる事が出来たらどれだけ世のため人のためになるだろうというところに

行き着き大きく進路が変更していきました。

 

そしてそれ以来たくさんの方たちの病気、怪我の回復に取り組んでいます。

又、現在はこの素晴らしい気の世界をたくさんの人たちに伝達し一人でも

多くの人に気づきを与えるために日々没頭しています。

 

高名な剣道の先生が弟子たちに『やっぱり最後は気だよ、しかしこの世界は

自分には出来ない』と、こう後述しておられます。

 

このようにどなたも気が重要だと認識しておられるのですが、では気って何なのか

そしてどうすればこの気の世界を習得できるのか思い悩んでおられるのではと思います。

 

私は現在64歳です、もう若くはありません。

これからビジネスを大きくしよう、盛大にやろうなどという気持ちは微塵もありません。

それよりも近い将来の自分の引き際を決めています。

その残された時間に一人でも多くの方に気の世界の素晴らしさをお伝え

しなければと、常に心の中で念じています。

 

そして残念ながら現在後継者はいません、今のままで引退すれば一代限りで

消滅してしまいます。

 

人というのは歳を重ねるごとに柔軟性がなくなり容易に物事を受け入れる事が出来なく

なくなってしまい、そのような現象を目の当たりにした時じくじたる思いを

する事があります。

 

びわこスポ大の学生のように一人でも多くの若者が目覚めてくれる事を

切に願っています。

来月からサッカー部の特訓を行い全員が目指す日本一に一歩でも近づくよう

みんなの夢が大きくふくらんでいきます。

 

九州では桜が開花いたしました。

びわこ成蹊スポ大

24日の土曜日は空の会の特別クラスのメンバーと共にびわこ成蹊スポーツ大学にメンタルの講義に出かけました。

大学は滋賀県でも湖西線比良駅という敦賀に近い場所にあり当日も寒い北風と時折降ってくる冷たい雨に打たれながら訪れました。

サッカー部の部員は200名を超えるのですが、今回は春休みという事もあり学内に学生の姿は見当たらず講義は希望者のみの参加となり少人数でおこないました。

今回は野球部も数人参加しメンタルの必要性についての話をいたしました。
その後、特別クラスのメンバーが学生相手の気の実践を行いました。

本格的なトレーニングは4月に入ってから行います。
望月監督は講義終了後、なでしこジャパンの対アメリカ戦に向けて仙台に出発されました。
オリンピックの金メダルを期待されており大きなプレッシャーを感じておられると思うのですが、いつものにこやかな笑顔で学生に声をかけておられました。

 

新学期からは野球部も共に講義をおこないます。

大学を後にして比良駅に向かう途中裏山にそびえる比良さんを見ると白い綿帽子をかぶっていました。

大学サッカーフェスティバル

本日12日から福岡で第4回大学サッカーフェスティバルが始まりました。

 

それに伴い8日から2泊3日でびわこ成蹊スポーツ大学の宮崎合宿に

同行いたしました。

 

場所はつり橋で有名な綾町です。

 

昼は他の大学との練習試合で夜は講義です。

私はサッカーは素人でよく分かりません。

 

しかし肉体をコントロールする脳の事なら何とか話ができます。

 

最初は総監督の松田先生の話そしてその後は私の話と続きます。

 


今回参加の生徒の数は130名です。

 

そして最終日は宮崎の友人のK氏に日南海岸、青島、鵜戸神宮に

案内していただきました。

 


今日は九州産業大学で流通経済大学と試合を行いました。

3月というのに朝から小雪がちらつき凍えるような寒さでした。

 

明日は関東から九州までの各参加チームの監督、コーチの懇親会が行われ

私も出席いたします。

 

さてどんな展開になるか楽しみです。


日本人

一昨日の事です。

 

夜、博多で用事を済ませ自宅へ帰ろうと22時の電車に乗りました。

3駅くらい通過したところで突然電車が停止し、飯塚地方大雪のためしばらく

停車しますとアナウンスがありましたが、その後電車はまったく動かなくなって

しまいました。

車内は通勤帰りの人で満員です。

 

一時間ほど停車していましたが、一駅二駅先の人たちはあきらめて降りていきました。

それでも遠くの人は降りるわけにはいかず半分ほどの人が残りました。

 

私は運良く目の前の人が降りたので空いた席に座る事ができました。

 

しかし、それから5時間車内に閉じ込められ、やっと動き出したのは午前3時でした。

その間立ちっぱなしの人もたくさんいました。

 

午前4時近くに最寄の駅に降り立って見ると積雪が20センチほどになっており、

駅前のタクシー会社ももうすでに営業は終わっており、この雪の中車で家族に

迎えに来てもらうわけにもいかず30分ほどかけて雪の中を家に向かいました。

 

帰り着いた時には靴はビショビショで靴下もびっしょりでした。

 

しかし、今回も心に残ったのは5時間の缶詰の間、罵声を上げたり文句を言う人など

誰一人いず、車内はたくさんの人にも関わらずシーンと静まり返っており駅に着いたら

皆さん整然と降車して家路に向かっておられました。

 

昨年の東日本の震災の時に日本人のマナーの素晴らしさに感動を致しましたが、

今回もその素晴らしさを目の当たりにし、あらためて日本人の民度の高さに感動し、

日本人に生まれた事の幸運に胸が震えました。

 

朝、起きて見ると家のまわりはまるで北国のようでした。

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